私は教室の前まで走ると、澤田くんの手を離した。
周りの人達はみんな、不思議な顔で私達を見る。私は平然を装って、笑顔で澤田くんを見た。
「ごめんね、ありがとう。」
「え? あ、うん」
澤田くんにそう言うと、私は教室に入って行った。
自分の席に座ると、前からは芹沢さんが話しかけてくる。
「……具合、大丈夫?」
「え……?」
具合……って、なにそれ……?
そんな理由になってたの?
まぁ、結子ちゃんならそう言いそうだけど、さぁ。
「………あの、相沢くんがそう言ってたから…」
その一言に、私は目を見開いた。
何、言ってんの……?
「は……?奏太が、そういったの?」
「え? 間違ってた……?」
私の質問に、戸惑う芹沢さん。
「いや、別にそんなんじゃないよ
ほら、もう元気だし」
私は教科書を出しながら微笑みながらそう答えた。



