私も、自分の席に座ると、隣の男子……に話しかける事はなく、前の女子と話す。
「朱里ちゃん、また朝からやらかした…?」
「はは、そう見たい。」
前の子は、芹沢さん。すごく静かで、いつも一人でいる。2年の頃から話すようになって、まあ、普通に仲良くなった。
そして、チャイムがなる一分前に、後ろ側のドアが開いて、みんなからの注目を浴びながら教室へと入ってくる男子。
「おーい、相沢、またお前かー」
先生が呆れながらそう言うと、朱里はチラッと
私の方を見た。けど、私は無視。
ガタッと私の隣に、座る。
彼は、すぐに横を向いて隣の男子に話しかけている。なんて、わかりやすいヤツだ。
そして、先生が話し終えて、チャイムがなる。
今日は、入学式だから帰りが早い。
朱里は、すぐに私の席の前に来た。
「帰ろ〜」
めんどくさそうにカバンを持ちながら私の机の前で窓に寄りかかっている。
芹沢さんが朱里の足を蹴ってしまうと、慌てて朱音に謝り始めた。
「あ、ごめんなさい…っ、」
そう言うと、朱里は、ジッと芹沢さんを見下ろして、ニコリと微笑んだ。
「別に謝らなくていいし〜
痛くなかったから〜」
「え……?」
「芹沢さん、ほら落ち着いて〜」
朱里がそう言ってピースする。



