それから歩いていると、奏太の家が見えた。
はぁ、とため息をついて前を通り過ぎようとした時にガチャとドアの開く音がした。
私は、バッと振り返ってしまう。
そこには、ダル着姿の奏太が立っていて、奏太も私のことを見ている。
……なんで見てるの
無視すればいいのに。
続いていた沈黙を破ったのは、奏太だった。
「……雄輔と遊園地行ったってホントかよ」
え……
「なん、でそんなこと知ってんのよ」
「聞いたから」
だからなんだっていうの
「別に、奏太には関係ないよね」
私はギュッと手を握りしめそう言う。
「まぁ、な」
変わらない冷たい声で奏太は言った。



