それから、下に到着してから、私たちはご飯を食べて帰った。
駅まで送ってくれると、そこで別々に別れた。
「今日はありがとう。 普通に楽しかったです」
「俺も。また誘ってもいい?」
「ははっ、もちろん」
そんな会話をしてから、私は家までの道をゆっくりと歩いていた。
澤田くんは、話すのも上手で、会話が途切れる事はなかった。
一緒にいて落ち着いた。
……でも、なんで
どうして奏太のことを思い出さなきゃいけないの?
……観覧車でキスしたことも、きっと
奏太は、忘れているんだろう。
私は唇を触り、つぶやいた。
「ファーストキス、だったのに……」



