あともう少しで頂点って所で、私はハッとした。澤田くんが私の名前を何回も呼んでいた。 「あ、ごめん……」 「いや、別に大丈夫だけど 」 気まずい空気になり、私は少し下を向いた。 そして、頂点にたどり着いたところで1回止まった。 「え……?」 「あ、観覧車ってたまに止まるよね~」 澤田くんは、楽しそうにそう話している。 ああ、そうだった。 すると、澤田くんは、下を向いてぼそりと言った。 「ねえ、さっき何考えてた?」 その言葉に目を見開いて、私は黙って澤田くんのことを見つめていた。