「あー、そっか。奏太と幼なじみなんだっけ?」
澤田くんにそう聞かれ、私はビクッとする。
「まあ、うん。」
そう、幼なじみ。
私の態度に気づいたのか、澤田くんはもう奏太の話はしなくなった。
もうそろそろ頂点に着くところで、私はあることを思い出した。
それは幼い時の記憶。
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「なあ、美月。高いな!」
「もう少ししたら頂点だよ…!」
私と奏太は、2人で観覧車に乗っていて、頂点に着くところだ。
「じゃあさ、頂点だから約束しようっ」
そう、あれは私が出した話。
「約束って……」
呆れた顔で見てくる奏太。
すると、奏太は何かひらめいたような顔をして私のことを見てきた。
「「約束は、これからもずっと一緒に、そばに居てくれるって約束!」」
ハモったその言葉。
その後に奏太は、そっと私の口に軽いキスを落としたんだ。



