そんなふうに、4時間ぼーっとしながら授業を受けた。終わると、すぐに朱里がお弁当を持ちながら私の前まできた。
「今日は教室だよねぇ?」
「あー、うん」
「芹沢さんも、ほらっ、机くっつけて~」
朱里がそう言って芹沢さんの机もくっつける。芹沢さんは、恥ずかしそうに照れながら「ありがとう……」と、言った。
朱里は、携帯を見ながら高速で手を動かして、それを終わらせると携帯を置き私のことを見つめてきた。
「……なに?」
私は、朱里のことを見ながら、食べようとしていた玉子焼きを口から離した。
「美月さぁ、ほんとにあのこと引きずってないなら澤田くんのこと好きになればいいんじゃないの〜?」
朱里は奏汰の席をチラチラ見ながらそう言うから、私は、ため息をついた。
「また、あんたはそんなこと言って。」
呆れながら、玉子焼きを口に入れる私を朱里はじっと見つめてからお弁当に手をつけた。



