「それより、美月はどうなのさ〜
2年間でいい男いなかったわけ〜?」
「……まぁ、ね。」
「それとも〜、今年探すって感じ〜?」
「さぁ、ね。私を朱里と同じにしないで」
私が、笑いながらそう言うと、朱里は、むっと口をとんがらせていた。
「……まだあの恋引きずってんの?」
そして、急に真面目なトーンで、そう聞かれる。朱里は、普段は可愛い高い声を作っている。
「……なに、あの恋って?」
私は、立ち止まって、ジッと朱里を
見つめながら、そう言った。
「……なんでもなぁーい」
朱里は、可愛らしい声に戻って、先に前を歩いていってしまう。



