「痛っ、ちょっと、だれ……」
イラつきながら、後ろを向くと、そこには涙ぐんでる朱里が立っていた。
「痛いじゃないでしょぉ!!
昨日、あのあと連絡つかないしっ
朱里があんなところ連れていったから……っ」
朱里は、そう言いながら、悔しそうに唇を噛んでいた。
「だからぁっ、すごく心配したんだからぁっ!
なのに、連絡つかないし……。」
言いながらも、ずっと私の背中を叩いてる朱里の手を私は、スッと手に取った。
「ごめん、ありがとう。
昨日、寝ちゃってさ、ほんとごめんね」
私が微笑みながらそう言うと朱里は目に溜まってる涙をグイッと拭き、私のことを見た。
「……奏太くんと、何かあったぁ?
手、赤くなってる……」
" 奏太 " その言葉にドキッとして、手を隠した。
朱里は、その行動が謎に思ったのか私のことをじっと見つめてくる。
「……別に言いたくないならいいんだけどさぁ、暴力とかだったらぁ、言ってよね〜」
そんな事言って腕を組みながら先を歩いてしまう朱里。
朱里も大人になったんだ。



