そうして、話してるうちに、時間が経ってしまい、私は携帯を確認した。
……あ、時間。
だけど、この空気言いにくいよね。
トイレから、奏太もあの子達も戻ってこないし朱里を1人に出来ないし。
「奏太、遅いな。
俺、ちょっと呼んでくるわ」
私がそわそわしてると、そう言って澤田くんは立ち上がり、出て行った。
すると、今まで朱里にくっついていた男が私の隣に来て、いきなり肩に腕を回した。
「……あの、」
私がそう言うと彼はニヤニヤしながら、自分の方へグイッと抱き寄せた。
私は、離れようと力を入れたが、やっぱり男の人の力には敵わない。
どうしよう、怖いし、時間だって……。
私は、怖くなり下を向いたその時。
「あ、美月……っ」
朱里のその言葉と乱暴にドアが開いたのは全く同じ瞬間だった。



