もう1度、あの恋を

そして、芹沢さんが、後ろを向くと朱里は、携帯を制服のポケットにしまい、横を向いた。



｢あ、聞いてよ、芹沢さん～。
朱里、昨日の夜にさぁ、酔っぱらいの
人に腕掴まれちゃってさぁ～。｣


なんて、笑いながら話し出した。



｢ええっ？怖くなかったの…？｣

芹沢さんは、びっくりして、朱里にそう聞いている。うん、それが普通なんだけど、ね。




｢え～？ 美月、めっちゃ一生懸命走ってきて私笑っちゃってぇ～。でも、朱里嬉しかったんだぁ。｣




そう言って、すぐに私の方を向いた。



｢もう、気をつけなよほんとに。｣