もう1度、あの恋を







なに、逸らすなら最初から見ないでよ。


……チラッとも見ないで。






昨日は目が合っても逸らさなかったくせに、
何なの。気分?




私は、だんだん奏太に腹が立ってきて、ムカムカしながら学校へと向かっていた。




下駄箱で、芹沢さんに会う。


「あ、美月ちゃん…、おはよう」

「おはよう。ここで会うのは珍しいね」



そう、だって芹沢さんは、朝が早い。



2人で教室に向かうと、そこには、もう席に座って男子と話す朱里の姿があった。




朱里は、私たちを見つけると、男子になんか話して、こっちに歩いてきた。



「2人とも、おはよぉ。」

そう言うと、芹沢さんの隣の男子の椅子をガタッと引いて私の机の前まで持ってきた。


ちょこん、と座ると携帯を触り出した。