もう1度、あの恋を






奏太は、一瞬目を見開いてから、私のことをギュッと抱きしめた。




「……何度も忘れようとした
けどさ、ちっさい時からずっと好きで
やっと付き合えたと思ったら傷つけた」



私は、奏太がそう言うのを頷きながら聞いてた。




「……そんなの忘れるしかねえって思ったけど
カーテンから見えるお前見てたら忘れることできなくて、それで同じ高校に入ったことも後悔した」





え……




「高校、同じだったことびっくりしたよ」


「だろうな、俺お前がどこ受けるか職員室で聞いてそこに変えたんだ」




初めて知る奏太のこと。




「……なあ、美月」



「なに、?」






奏太に、優しく呼ばれ顔をあげると思いのほか距離が近くてびっくりする。







「……好きだよ」







え………





「っ、ねえ、急に言うのはずるい、でしょ?」





急な告白にびっくりしてると、奏太はクスッと笑った。




久しぶりに見た奏太の笑顔。






「……私も、好きだよ結構前から」



そう言うと、奏太は私のことをもう1度、抱きしめた。