「そんな顔しないでよ中谷さん。 俺、好きな子に幸せになってもらいたいし」 そう言う澤田くん見つめて、笑いながら 「ありがとう……っ」 精一杯のありがとうを伝えた。 私は、そう言うと先に教室を出た。 どれだけ嫌いになろうとしたか どれだけ消そうとしたか …なのにそれが出来ずに、やっと自覚する 好きなんだって、この想いは消せないだって 私は泣きそうなのを堪えて階段を降りた。