駅につくと、目の前で泣きながら携帯を握りしめている朱里を発見する。
私は、朱里の前に立つと手を引っ張り近くの公園に連れていった。
「……で、どうしたの?」
「……朱里ねっ、田中くんにキスされそうになって…っ 好きだから、最初は目を瞑ったんだけどっさ、 やっぱり怖くて、突き飛ばしちゃった……」
事情を聞いて、私は、朱里を抱きしめる
「……嫌だったんだし、仕方ないよ…。」
私は、なんとか朱里を励まそうと一生懸命に声をかけた。
「ほら、私だって嫌だったから、やめてって…言ったし、さ。」
「だから、朱里は初めてだったわけだし仕方ないんじゃないかな?」
私がそう言うと、朱里は涙を拭きながら、私のことをキッと見た。
「……好きなら、経験とかいらないんじゃないかなって思うんだけど朱里は、ね。」
「でも、実際嫌だった訳でしょ…?」
朱里は、ぐっと手を握りしめ下を向いた。



