奏太はそういうこと言えないって、わかっちゃいたけれど、やっぱり言ってほしかった。 そんなふうに思って奏太の少し後ろを歩いていると、いきなり立ち止まった。 ドンッと背中に当たり、私は顔をあげると、奏太がりんご飴を持ち振り返った。 ……え? 「ん、好きだろこれ」 毎年来てるお祭り。 大好きなりんご飴。 「ありがとう…」 受け取り、そう言うと、奏太は少し照れたようにそっぽを向いた。