そして、待ちに待ったお祭りの日。
絢乃ちゃんが私の家に来てくれ、浴衣を着させてくれた。
「ほらっ、可愛くできた」
頭に、かんざしを付け、最後にそういった絢乃ちゃんの言葉で私は鏡の前に映る自分を見た。
「……わぁっ……。」
驚いて、その姿をじっと見つめていると、絢乃ちゃんはニヤニヤしながら携帯をいじり始めた。
「その浴衣着て、奏太と行くんでしょ?
あの子絶対可愛いとか言えない子だから
もし、言われたら教えてねっ」
絢乃ちゃんのいたずら笑顔に、私はニコッと微笑んだ。
「本当にありがとうっ…」
私は、時間になるまで少し、絢乃ちゃんと話し、時間になると絢乃ちゃんと一緒に玄関に行った。
「……よ、よし…」
ドアを開けると、門の前に奏太が立っていて、後ろ姿を見るだけでドキッとする。



