今目の前にいるのは私の彼氏の千田拓也。

「ごめん、別れて欲しい…」

は?この男は何を言っているの?
突然過ぎて理解ができなかった。
そんな困惑してる私に拓也は止めの一撃を放った。

「好きな人ができたんだ」

「えっ」

私がいるのに…何で?

「誰…誰なの……私の知ってる人?」

拓也は申し訳なさそうに口を開く

「いや知らない。大学の先輩の高伊浩介さん」

「高伊……浩介?」

それって……男だよね?
拓也、私その人知ってるよ?だってその人私のお兄ちゃんの親友だから。
しかも浩介さんには婚約者がいるんだよ?
拓也叶わない恋をしたね……
拓也の申し訳なさそうな顔を見てると余計に腹が立つ。
いや、苛立ちを通り越して呆れてる。