蝶の行方



「こいつらは双子だ。仲良くしてやれよ。じゃ、SHR終わり」

と言い、担任は出ていった。



それと同時に、私達の周りに人が沢山きた。

こなくていいのに。

紗都の方には女子が。

まぁ紗都はそこらのイケメンより、かっこいいからね。

私の周りには男子が。

どーせは顔目当て。

ここも一緒か。


「ねぇねぇ、紗都くんって呼んでいい~?」

うわ、吐き気がする。

紗都も吐きそうな顔をしている。


「なぁー、紗愛ちゃん。メアド交換しようぜ。てか俺といい事しようぜ」

キモい。

キモすぎる。

肩に手を乗せてくるし。

胸を触ろうとしてくる。

まあどうせ、払う前に…。


パシッ。

ほらね。

「気安く、紗愛に触るな。紗愛の名を呼ぶな」


「ありがとう、紗都」

よしよしと撫でてあげる。

「おい、お前ら。今後一切俺達に関わらないで。キモイから」


キモイって。

そんな直接言っちゃうと、笑っちゃいそう。


みんなは、紗都の言葉で顔が真っ赤になり自分の席に座った。

たぶんみんなはこれから気に入らないから何かしそう。

まぁ、知らないけど。

「あんな事言ったけど、よかった?」


と、紗都がシュンとして聞いてくる。

それをよしよしと撫でてあげて。

「大丈夫。むしろありがとう」

と言ってあげた。

それを聞いた紗都はニコッと笑い、私の隣の自分の席に座った。