午前六時。私の一日は、この時刻から始まる。


簡単に支度を済ませた後、私は、自分と灯のお弁当を作り始める。

灯には、ちゃんと灯のお母さんが作ったお弁当があるんだけど、サッカー部で運動するからか、それだけじゃ足りないらしい。
だから、料理好きでいつも自分のお弁当を自ら作っている私が、ついでに灯の分も作っているのだ。

とは言うものの、昨日の夕飯の残りなどもお弁当に詰めているから、正確には、私と私の母が作ったお弁当だ。


「おはよー、お姉ちゃん」
「ああ、奈津(なつ)。おはよう」

眠たそうに目を擦りながらキッチンに入ってきた妹は、私に挨拶してすぐに、小皿に置いて冷ましてあるウインナーを、一つ食べた。