最低だ。ごめん、灯。
灯の笑顔を思い出して、胸が痛くなった。

花火会場から家までそう遠くない距離のため、花火の打ち上がる音がよく聞こえる。


私はまだ、圭汰を引きずっている。
だけど、灯のことも大切。

叶わない恋を続けるつもりはない。
でも、圭汰のことが好き。

矛盾した感情が、胸の中で何度も交差する。


“好き”が、はっきりと区別出来るものだったらいいのに。
合理的に考えて、自分が得する恋愛ばかり出来たらいいのに。

そんな都合良くいかないから、いつも恋愛は苦しくて辛い。


「・・・嫌だな、恋愛って」

声が震える。