君と二重奏



文化祭当日。
朝は普通に学校に来た。


するともう既に坂内さんは居て
俺のことを待ってた。


俺が来ると坂内さんは仁王立ちで
「遅い!早く衣装来てこい!」


ってテンション高めの命令口調で言った。
俺はこの口調になると何言っても無駄だと


知ってるので特に抵抗もせず
素直に従って衣装に着替えた。


やっぱり似合わない衣装で
大きなため息を更衣室で漏らす。


ため息を1つ漏らした後
静かに更衣室を出た。


教室では坂内さんがまだ仁王立ちで居て
俺が着替えた姿を見ると


手を引いてイスにに座らせた。
前にある机にはメイクやヘアセットの
道具が大量に散らばっていた。


俺は嫌な予感がして
座ってすぐに立とうとすると


腰とイスをひもで縛られていて
立てなかった。


手が早いというかなんというか…。
俺が参ったなと思って
諦めて大人しく座ると


よし来た!というような満面の笑みで
俺の髪を構い始めた。


前に鏡が無くって俺は完成まで
俺の髪がどうなるのか見えないけど