すきなのに!!

へらへらと笑って誤魔化すとなぜかトップはぷいっと視線を逸らした。

え、怒らせちゃった?!



「ちょっと、透さん!!暴れるのはよしてくださいよ!!」


「やっかましいわボケ!あんだけ1日中探し回っとったんやからそれなりの落とし前はつけてもらわんとな!!」


「走らないでくださいー!」




あ、慌ただしい関西弁の人が近づいてきてるんだけど…。


あたしはざざっと下がってさりげなく万里くんの後ろに隠れた。万里くんが嫌そうな顔してたけど、こんな状況だもんね、しょうがない、うん。



「俺ぶっ飛ばした女はどこにおんのか聞いとんねん」


「その女ならこっちに……あ」




あ、来た。


紛れもなくアイツだ。

あのド派手な赤髪は、南栄のNo.2の透。


あたしがぶっ飛ばしちゃった人だ。




あたしと透はしばらく見つめ合っていた。



あたしから話しかけるの?「あのときはやりすぎちゃった!ごっめんねー」みたいなこと言わなきゃいけないの?


タンスに隠れてたときより変な汗が流れてる。



「……コイツ、か?」


「はい、そうです」




無意識に万里くんのシャツの裾を握っていたけど万里くんはそれを振り払わなかった。

やっぱりなんだかんだ言って優しい。




じっとあたしを見つめるだけだった透が急にコツンコツンと靴を鳴らして歩き出した。


靴の先は、間違いなく……あたしだ。




透も、よく見たら顔はかっこいい。
トップと一緒で綺麗系だ。



ていうか透って関西弁だったんだ…。前会ったときは呻き声とか叫び声しか聞けなかったからな。



透の足があたしの前で止まる。

万里くんがあたしを庇うように手を広げたけど、呆気なく透に首根っこを掴まれて横にずらされた。



「ちょ、おい!」

「捕まえとけ」



金髪野郎が万里くんの両腕を掴んで隅っこに行ってしまった。



「ば、万里く…」

「アンタはこっちや」




万里くんに向かって手を伸ばしたけど、その手を透に掴まれた。


掴まれた手を見てあたしはポカーンと口を開けることしかできない。




立ったままあたしの腕を掴む透と、座ったまま口を開けて放心状態のあたし。