すきなのに!!

「ところでさ、ここ、誰の家なの?」


あたしは隣に並ぶ夏樹くんを見た。



「ここは、朋稀さんたちのダチの家ですよ」



夏樹くんがにこやかにそう言う。



「いや、それはさっき朋稀に聞いたよ」

「そうですか、…万里さんって人の家です」

「ば、万里くん…」



ますます謎に包まれし人物だな、あたしの隣席の万里くんは。


どんな人だろうなぁ。きらきらのアクセサリーをジャラジャラつけたキザな人?いや、そんな人じゃ不登校にならないか。



無駄に広い庭を進んでいくと、これまたどでかい扉があたしたちを待ち構えていた。


近くに備え付けられた防犯カメラに向かってピースや変顔をし始めた輝と颯くんと朋稀にはヒヤヒヤしたけど、無事扉は開き、あたしは安堵のため息をついた。



家の中に足を踏み入れると、



「うわぁ……」



きらきらのシャンデリアに、

真っ赤な絨毯、

長い螺旋階段、

高そうな絵に壺。



いかにもお金持ちって感じの内装にびっくりして足がすくむ。

やばいでしょここ。自分で言うのもなんだけど、気を付けてないとあの壺割っちゃう気がしてならない。



すると理陽があたしの隣に来て、優しく笑って頭を撫でた。



「栞、あんま動いちゃダメだよ?栞のことだから『ああああ!やらかしたああ!!』とか言って壺割ったり、絨毯破ったり、ジャンプしたときにシャンデリア落としそうだから」



…そんなに高くジャンプできません。