すきなのに!!

「あー!栞おはよーう」




こ、この声は…!!




「凛ー!!」





やっと来たあたしの救世主!!



凛はカバンを持ったままぱたぱたとあたしに駆け寄って来てセミロングの茶色い髪を揺らす。


そしてあたしの周りに群がる女子たちを見てひとこと。





「…何コイツら」





凛は一気に不機嫌になって親衛隊のメンバーを睨みつけた。いつもより声がかなり低い。


親衛隊のみなさん、顔を真っ青にして「お、覚えときなさいよ!」とお決まりの捨て台詞を残してそそくさと走り去って行った。




ぽかーんと口を開けて親衛隊の後ろ姿を見ていたあたしと茉央ちゃんと万里くんは状況が飲み込めずに立ち尽くしていた。



ゴーイングマイウェイの茉央ちゃんでさえびっくりしている。




凛って一体…?


凛は何事もなかったかのようにくるりと振り返ってあたしに微笑みかけた。




「り、凛姐さんおはようございます」



「何それ??」





昔から親友のあたしだけど、それでも時々凛は何を考えてるのかわかんないときがある。




凛はあたしの髪を見て「お。今日はポニーテールなんだね」と呟き、あたしの頭を撫でた。



そしてそのまま視線を後ろの万里くんに滑らせて首を傾げた。





「栞、その子は?」





万里くんはビクぅっと肩を震わせてあたしのブレザーの裾を掴んだ。



あたしはパンっと手を叩いて万里くんの手を掴んだ。




「万里くん人見知り克服作戦第1弾~友達の友達は友達さ!~を決行しまーす!!」


「うわ何そのダッサイ名前ー」





茉央ちゃんってこういうときだけやけに話に突っ込んでくるよね。




ちょっとショックを受けつつあたしはコホンと咳払いをして万里くんの肩に腕を回した。



「万里くん、この2人はねーあたしの友達の平野 茉央ちゃんと、榎本 凛ちゃんだよ」


「万里くんっていうの?よろしくね!」




凛がにっこり微笑むと万里くんは顔を青ざめた。え、そこって普通は顔を赤くするところじゃないの?

茉央ちゃんは前も会ったことがあるらしく、「久しぶりー」と軽く手を振っている。


万里くんは一度あたしを見て不安そうな顔をした。あたしは笑って小さく頷く。


万里くんは深呼吸して2人を見据えた。