「またバカ宮って言った! しつこい!」
「チッ」
「女の子に舌打ちするかな!?」
「は? お前女なの?」
「すごくウザいです!」
青葉は中学からの腐れ縁で、なにかと面倒な絡みをしてくるやつ。
響きが似てるからと、アホ葉って呼んでいる。
……すごく、ものすごーーく認めたくないけど、アホ葉はあたしのことをバカ宮と呼んでくる。
あたしたちは、それだけの関係だ。
「お前さ、その不毛な片思いやめたら?」
「は?」
「俺、バスケ部だろ。 那月さんのこと知ってるよ。 彼女だってい……」
「わ、わかってるよ!」
あたしとアホ葉はケンカ友達(友達と呼べるのか)ってだけの関係なのに。
こいつは、あたしの想いを、否定してくる。