「これお粥です。食べられますか?」
「あー…うん」
ガラガラの声でそう答える先生。
だるそうにゆっくりと起き上がる背中を私も支えて、起こしてあげた。
「まだ少し熱いので気をつけてくださいね」
ベットの近くにある小さな机にコップと薬を置いて、先生にはお粥を渡した。
湯気の昇るお粥を見て、先生は息を吹きかけ温度を下げようとするのだけど、のどに引っかかるのか、息を吹くたび咳をしている。
「大丈夫ですか?私がふーふーしましょうか?」
なんて、にやにやしながら言うと、
「うるざい!」
と汚い声で怒られた。
ガザガザの先生の声が面白くてたまらない。

