「教室まで一緒に行っても良い?」
「もちろん!」
笑顔でそう答えると、良かったと笑う夏くん。
もちろんと答えたは良いが、少しして気付いたこと。
「女子の視線が痛い」
「ん?」
「夏くん目立つんだよー…」
夏くんの人気の高さをすっかり忘れていた。
だって、夏くんフットワーク軽いんだもん。
「あっ、髪に…」
立ち止まり、ふわっと夏くんの手が私の頭に伸びる。
「とれた!」
髪についたゴミを取ってくれたらしい。
「あっありがとう」
そうお礼を言うと、にっこりと笑い教室へ行こっかと歩き出す夏くん。
その後ろをついて歩くのだけど…
うー、やっぱり女子の視線がいたい。

