少し待つと、先生が車に乗って出口まで来てくれた。
「すみません…これ、温かいコーヒーです」
車に乗りながらそう言って渡すと、
「おお、ありがとう。いくらだった?」
と聞いてくるので、お礼ですよ!とお金は断った。
車を近くの空いていたところに止め、バスタオルを差し出してくれる先生。
「バスタオルが出てくるとか、用意周到な母親ですか」
「これ、この間使おうと思って使わずにずっと置いたままだったんだよ」
「あ、この間の雨の日ですか?」
「そう。とりあえず早く乾かした方が良い」
ばさっと広げ頭に乗せられたバスタオルからは先生の匂いがほのかにした。

