「ほら、洗い物も終わったし送るから」
「…やだ」
「やだじゃないだろ」
「やだ。帰りたくない。寂しい。先生好き」
「おい、語尾」
「はー、やだなー…」
なんて、言いながら、帰らなくちゃいけないのは分かっているから帰る用意をする。
荷物を手にとって、廊下に出ると、
「元気になったらまたすぐ来ればいいだろ」
と鍵を渡された。
「これ…」
可愛いキーホルダーのついた鍵。
「合鍵…なくしたら許さん」
「無くさないよ!」
嬉しくて、嬉しくて、掲げるようにして鍵を見た。
先生の家の鍵…
いつでも来ていいんだって、これは夢じゃないよっていう証拠のように感じた。

