少し経って、指先を赤く染めた先生がベッドのそばに帰ってきた。 「絆創膏がこの辺りに…」 「作れないんでしょ」 「…」 「認めたらどうですか」 この短時間で指を切る人がおいしいものを作れるとは到底思えない。 「たまご粥なら食べられそうだな〜私」 そうわざとらしく言ってみせると、その手があったかとはっとした顔でキッチンへ戻って行った。 本当に可愛い人だ。 学校でのかっこいい先生はここには居ない。 春から気付いていた私は何だか得した気分だ。