先生のことなんて好きにならない!





「七瀬!」



校門を超えた辺りで、後ろから声をかけられた。



「…諸星先生!」



振り返ると、髪を乱れさせたまま何かを持ってこっちに向かってくる先生が見えた。



「どうしたんですか?」



膝に手をついて、息を整える先生に、私は肩に掛かる通学バックの紐に手を添え、少し視線を落として先生の顔を覗き込みそう聞いた。



「いや、これ。実習生の前で渡せなかったから」


「このあいだのタオル…」



わざわざ紙袋に入れられたタオルを見て、ふっと笑みがこぼれる私。



「助かった」


「良かったです」


「ありがとな」



そう言って、頭を撫でる先生。

さっき撫でるのを止めたのは、無意識だったのか、お昼に言われた心地良いだとか友だちみたいだとか、そんな言葉が頭をよぎって、ちょっと嬉しくなった。

私って単純だ。