その後も、実習生は先生に大学のことや教師という職業についてずっと聞き続けていた。
そんな間も私はずっと問題を解き続ける。
先生との会話はゼロ。
そうやってずっと先生は実習生と話すものだから、分からないところが聞きづらくて、その日はあまりはかどらなかった。
どうにかして終わらせた課題を先生に渡し、採点をしてもらう間も、ずっと実習生は先生に話しかけているものだから、私はずっと問題集に目を通していた。
「やっぱり応用が弱いな…これ作ってきたから」
実習生に相槌を打ちながら、採点を終えた先生は、私の方を見て、いつもの声色でそう言って、一枚プリントを差し出した。
やっぱり、先生のつくるプリントは見やすくて、わかりやすい。
「ありがとうございます」
「あ、やっと笑った」
「え?」
「難しそうな顔してた。飴食べたか?」
「あ、後で食べます」
「糖分取るのは大切だぞ」
そう言って、手を私の頭に乗せようとするのを止め、先生はすっと手を引いた。
実習生には先生の背中で見えなかったはずだけど、先生が私を小さな子をあやすように頭を撫でるのも、やはり後ろめたさからか止めてしまった。

