「私……前働いていたお店から、戻るように言われてて──だから……ここをやめて、戻ろうかなって……」


だって、私王子の家に住んでるんだよ?

私にとっては王子は大切な人で、大好きな人で──一緒にいたいって思うのは、あたり前の事かもしれない。


でも、王子は違う。

恋人でもなんでもない王子にずっとお世話になることなんてできない。


王子だって、女の私と同居しているようじゃ、新しい恋愛をするときに、絶対差し支える。


いつか王子に好きな人ができた時、
私はそこにいちゃいけない。


私きっと、これ以上王子のそばにいたら、
王子の事をもっともっと好きになる。


そしたら───もう離れられなくなるに決まってる。


甘えて、ずっと王子のそばから離れられなくなる。