雇ってくれたのが同情なら、その情が冷めたとき、私はどうすればいいの……? 心の中が、黒い雲のようなものでいっぱいいっぱいになる。 結局、その日は一日中その不安で頭がいっぱいいっぱいだった。 「私の居場所って、どこなんだろ……」 漏れた声は、びっくりする程情けなくて。 王子の家に来てから初めて、眠れない夜をすごした。