大体、王子は思わせ振りすぎる。
度重なる王子の意味深発言に、たいていの女の子ならいろいろと勘違いをしてしまうだろう。

普通、自分が焼きもちをやいてるかどうかなんて聞いたりしない。

それに、寒いからっていきなり手なんて繋がないし……

王子のその行動で、私がどれだけドキドキしてしまうかなんて、きっと王子にはわからないんだ。



「はぁ…………」


そうため息をついて、スーパーの棚からツナの缶詰めをかごに入れる。

今日は、カフェも定休日でお休みなので、
王子と一緒にスーパーに買い物にきていた。

本当は一人で行くつもりだったんだけど、
王子もついていきたいというので二人で買い物をすることになったのだ。