闇の鬼~影を纏いし者~

「えっと・・・・・・。

咲夜さんが、『オニ』ってヤツになるんスね? で、それを封印するのに刀が必要で、その刀を運ぶのが夏子。封印が終わってから刀を納めるのも夏子。だから、最後まで俺が夏子を守ればいいって事ですね? 」


「すごい! 浩介! わかってるじゃん! 」


確かに凄い。
今までの浩介なら、面倒臭がり半分くらいしか聞かなかっだろう。


「夏子、全然違うじゃねぇかよ。頑張るとかってレベルじゃねぇぞ? 失敗したら死ぬかもしれないって事だろ? お前わかってんの? 」


「そんなことわかってるよ! でも、大丈夫! 咲夜さんと先輩だよ? 私、信じてるもん! 」


夏子からも聞かされるとは。
信じてる。
それだけで、強くなれる。


「わかってんならいいよ。ぜってぇ守るから。
ってか、『オニ』って強いんスか?

先輩、マジでやるつもりですよね? 咲夜さんが、なるって事は・・・・・・。

ヤバいっすね。夏子、本気で逃げろよ。」


浩介は、本能的に感じているのか、実際にそう思っているのかわからないが、肌で危険をかんじているようだ。
これからの戦いがどれ程のものなのか。


「本気で逃げるわよ!! 絶対って言ったんだから絶対だよ! 」


夏子は、浩介の絶対が嬉しいらしい。
この二人は、いつか一緒になるんだろう。
魂の繋がりは切れないからな。


「大丈夫そうね。浩介君、お願いしますね。夏子さんも、無理は駄目よ。咲夜が『オニ』になった時に、どんな状況になるか教えてあげられないのが残念だわ。誰も、見たことがないんですから。」


その場で対処か。
夏子とは、ある程度打ち合わせしたが、どこまでシュミレーション通りに動けるのか皆無だ。


「私は、見送る事しか出来ません。明日の事は、次郎さんにお願いしてありますから。今日は、ゆっくり休みなさい。」


「オバァ様。色々とありがとうございました。今度、美冬にも会ってくださいね。」


咲夜の言葉が、咲夜の思いが、その覚悟を伝えてきている。
美冬はここには来ない。
だから、今度なんだ。


「おやすみなさい! 」


夏子の、元気な一言でその日が終わった。


明日から始まる。
1日だけの、僕達の戦いが。