「はぁ……はぁ……」



私は無意識のうちにあの鐘のある屋上にきていた。



なぜかわからないけど呼ばれた気がする。



「おじいさん…なんて、いるわけないか」



鐘に近づいてそっと手を触れる。



「ねぇ、ちょっとだけ…私の話、聞いてくれる?」



もちろん返事なんてないけど、いいよ…って言ってくれてる気がした。



「私ね、好きな人がいるんだ〜。でもその人は私の親友と両想いなの。私辛くてね…でも応援しなきゃって頑張ってきたよ?でも、もう限界。耐えられないよ」



やっぱり鐘は無反応。



そりゃそうだけどさ……あんたのジンクスのおかげで、もっといい感じになってるんだからね?



ちょっとくらいなんとか言ってよ…。



「私、バカだね。反応してくれるわけないのに」



考えてみたら、この鐘の方が辛い想いしてるんだよね。



せっかく恋人になった鐘と、もう2度と会えないんだから。



たまったもんじゃないよね。