仕事がひと段落ついたから、まゆの方の小道具を手伝うことにした。



まゆは役の方の動きで大変だし、さっき衣装係の子に採寸頼んじゃったし…。



多分小道具は放置状態だもんね。



「そっち手伝うよー……って…」



「おい!お前らいい加減にしろよ!」



「っんだよ、俺らノルマ達成したし、ちょっとくらい、いいじゃねーかよ」



「そういう問題じゃねぇだろ!」



私が声をかけた途端、小道具の男子が言い合いを始めた。



周りの人が止めようとするけど、全く聞いていない。



ひそひそ話す声を聞くと、だいたいの状況がつかめた。



なんでも、仕事が早く終わった朝比奈君と須藤君が遊んでいて、それに神谷君が怒ったみたい。



それで今みたいな喧嘩に…。



3人の様子を見て、どんどんクラスの雰囲気も悪くなっていく。



でも、私にはどうしたらいいのかわからない。



止めに入ったらいいの?



けど、私にそんなことできる?



そんな勇気ある?



結局その場を動けずにいた。



何もできなかった。