友情は初恋と引き換えに

ゴーン…。



最後の鐘の音が鳴り響いて私はここにきた目的を思い出した。



そういえば私、この鐘に会いにきたんだったっけ…。



もう一度荷物を置いて鐘のそばに駆け寄る。



鐘に手を触れて『さようなら』と心の中で言った時…。



「ん?……あ………どうして鐘が1人で鳴ってたの?」



今最後の鐘の音が鳴ったけど、そばには私以外誰もいない。



どうして?



私の学生時代はおじいさんがこの鐘を鳴らしてた。



もしかしたら、もうその仕事は引退しちゃったかもしれないけど、それならそれで代わりの人がいるはず。



でも、誰かが何かしたようには思えない…。



「どういうことなの…?」