友情は初恋と引き換えに

メールの本文をスライドすると、圭介の場所から見える夕日が貼り付けられていた。



「こっちも綺麗…私も」



近くの窓を開けて夕日の写真を一枚。



パシャ



それを送信してから気がついた。



写真の隅に、あの鐘が少しだけ入っている。



窓の外に目をやると、確かにそこにはあの鐘があって、ちょっぴり懐かしくなった。



「時間ができたし…最後に行ってみよう」



重い荷物を引きずりながら進み出した私の心は、どこかワクワクしていて、とても軽かった。