友情は初恋と引き換えに

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時の流れとは早いもので、先生や生徒、事務の人達と挨拶をしている間に、放課後になってしまった。



大荷物を抱えながら廊下を歩く私は、綺麗な夕日に目を取られていた。



「綺麗…」



圭介…つまり私の夫が『夕日を一緒に見よう』と言った言葉がきっかけ。



私が龍人とまゆを送り出したあの日から10年。



あの日の夕日もすごく綺麗で、圭介が『2人で見よう』と言い出したの。



「急がなくちゃ」



私が少しでも長くこの学校にいられるように、圭介が校門の前で待ってくれていることになっている。



重い荷物で体を揺さぶられながらも歩くスピードを少し早めた時…。