ーエピローグー



「工藤せんせーい!」



遠くから私を呼ぶ声がする。



先生っていう呼び名が今でも少しくすぐったい。



あと『工藤』っていう苗字も。



「はーい」



明るい声を出して後ろを振り向くと、私の担任の生徒が、何やら紙袋を持って走って来ていた。



「先生、これ、私達からの出産祝いとお別れの色紙!」



そう言って可愛らしい紙袋を差し出される。



「うそ!ホントに⁉︎いいの?」



生徒からのプレゼントなんて、思いがけなさすぎて本当にびっくり。



「いいから渡してるんだって!もらってもらって!」



「ありがとう〜!後で見せてもらうね!」



そう言いながら紙袋を受け取り、手に持っていた授業の教材の上にそっと乗せた。



今日で終わりなのに、生徒からこんなことされたら離れられなくなっちゃうよ。