工藤side



「好きです!付き合ってください!」



「私も龍人君と付き合いたい…です」



偶然見てしまった告白現場。



「まじかよ…」



誰にも聞こえない声で呟いた。



足音を立てないように気をつけながらそっとその場を立ち去る。



今、海崎から告白してた…よな?



つーことは…。



俺は教室に向かって走り出した。



どこにいるかはわかんねえけど、とにかく片っ端から探すしかない。



海崎が進んだ…ということはあいつが…如月が…。



泣いてるかもしれない。



いや、俺が行ったところでなんて声をかけたらいいのかわからない。



泣き止んでくれるかどうかすら…。



もはや笑ってくれるなんてことはないと思う。



はぁ…なんだけ笑わせるって言っといて情けねぇ。



でも……。



とにかくそばに居てやりたい。



笑うのはその後でいい。



その時は必ず俺が笑わせてやる。



だって…如月は…俺の…。



…………とにかく急ごう。