つむぎが怪我をしたこと。



あれは俺のせいだと思った。



だからせめて、つむぎの怪我が治って、つむぎが幸せになってから俺は陶山に告白しようとしていたんだ。



隠してたつもりだったんだけどな。



結局つむぎの怪我は治ったものの、つむぎの幸せってよくわからなくて……そのまま時間だけが過ぎていった。



つむぎはそんな俺の気持ちを汲み取った上で、俺に幸せになれって言ってるんだ。



俺に……『陶山に告白してこい』って言ってる。



「ホント、かっこよすぎだろ」



多分昇降口に陶山はいる。



多分つむぎと一緒に帰るつもりで待ってるんだ。



あーもう、こうなったら行くしかねぇだろ!



近くにあったチョークを手に持って黒板の隅の方で筆を走らせる。



不恰好だけど……いいよな!



俺はカバンを手に取り、昇降口を目指して走り出した。