ピピピ…ピピピ…



「あ!時間!」



龍人の部活終了時刻のアラームが鳴り出した。



つまり、もうすぐここに龍人が来るはず。



隠れなきゃ!と言っても、隠れる場所なんてない。



もちろん教室にいたら、すぐ見つかっちゃうし……やっぱり廊下しかないよね。



龍人がちゃんとまゆのところに行ってくれるか心配だし……そこは見ておきたい。



私はすぐさま廊下に出て、柱の陰にうまく隠れた。



タッタッタッタ…



誰かが走って来る音がする。



きっと龍人が来たんだろうな。



『うまくいってくれますように…』



そう、心の中で祈るばかりだった。