私は深呼吸をして胸に手を当てた。



「私には大好きな人がいました。でも、大好きな人にも大好きな人がいました。………本当に辛かった。だから、ずっと逃げてました」



ああ、次の言葉を言ったらもう後戻りはできない気がする。



私の恋は…終わるんだ。



「でも私、やっとわかりました。……やっぱり、応援せずにはいられないくらい大好きなんです!」



最後の方は叫ぶように言い放った。



溢れる涙で鈍る声を誤魔化すように。



「だから私、進みます。辛い未来がわかっていても、それが1番……幸せだと思うから」



言い切った。



もう2度と、今は帰ってこない。



今の3人の関係には戻れない。



でも………なんだかすっきりしてる。



どうして?



ああ、もしかしたら……工藤君がいるからかもしれない。



何があっても、工藤君が笑わせてくれるって約束してくれたからかもしれない。