「みんないい顔してる。練習の時よりもな」



ビデオを眺める工藤君は言葉とは裏腹にどこか寂しそう…。



「やっぱり……工藤君が出たかった…よね」



これ、見せるべきじゃなかったかな?



虚しくなって逆に辛いだけだったかも…。



「そりゃ本音を言えば出たかったよ」



そう言って苦しそうに笑う工藤君。



怪我さえしなければみんなと出られたのに。



そんな言葉が伝わってくるみたい。



「ごめん、やっぱりこれ見ない方が…」



もう見続けて欲しくなくて、ビデオを手に取り手を引こうと…。



「でもさ」



その言葉と同時に手首をギュッと握って引き止められた。



「俺は自分のやったことに後悔はしてない。俺がもし陶山を助けていなかったら、それこそ劇は中止だったしな」



まるで私を安心させるように微笑んで、そっとビデオを手に取る工藤君。



「そっか…」