友情は初恋と引き換えに

「どうしてあの時まゆを助けたの?自分が危険かもしれないのに」



いや実際危険だったんだけど…。



「どうしてって……俺はあの時ロミオだったからな!」



「え?」



「ロミオなら、自分が危険な目にあってでも愛するジュリエットを助けるだろ?」



「まぁ…でもあれはただの劇で…」



「劇で終わっちゃダメなんだ。演じている時はその人の人生をお預かりしている。だから、身も心もその人になりきらなくちゃいけない……俺はそう考えてるんだ」



「…………」



これには驚かされた。



同じ学生なのに、こんなこと考えられるなんて…。



ちょっと…いやかなり尊敬する。



「すごいね!私尊敬しちゃった!」



「そ、そうか?…なんか照れるな」



私、工藤君が将来有名になったら1番のファンになるよ。



ここに約束する!



工藤君が俳優目指してるかはわからないけど…。