「何を根拠に…」



「お前、みんなが帰った後たまにロミオの役練習してただろ」



「……え⁉︎」



これに驚いたのは私だけじゃなかった。



隣の龍人も目を見開いている。



でも、何も言わないってことは……練習してたってこと⁉︎



「なんでそれを…」



「たまたま見たんだ。しかも、あのシナリオを作ったのは海崎だ。書いたんだから少しくらい頭に入ってるだろ?セリフ」



私はただ2人を交互に見つめることしかできない。



工藤君は本気なんだ。



本気で龍人に頼んでるんだ。



龍人ならできるって信じて。



一方の龍人は…迷ってる。



瞳の中に迷いが見える。



本当に自分がやって大丈夫なのか。



工藤君の代わりが務まるのか。



成功させられるのか…。